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救急車。1

自分のこと(過去の話)

2023年1月31日

朝目が覚めたら、体が動かなかった。


体を使い過ぎたあと、動かなくなることはあっても、朝目が覚めたら動かないというようなことは今までなかった。前日に体を使い過ぎた?それはない。病院に行った。確かに疲れたといえば疲れたけど、この程度で動かないなら、これまでにも同じようなことが起こっててもおかしくない。


前回3時間動けなかった時は、冷えも関係していた。冷えてたから、なかなか復活できないんだと思っていた。でも今回は、あったかいどころか、ちょっと暑いくらい。仮説が崩れて、困ったなぁという気分だった。

 

最初の数時間はまだよかった。ただただ脱力で、動けない。自己分析をしながら、体を動かそうと何度も試みた。相変わらず目だけが動く。それ以外は、右半身も含め、全然動かない。口も動かないし、声も出ない。

 

寝室の扉を挟んですぐそこに、パートナーがいたけど、気づく様子はない。元々私は、寝る時は12時間とかでも寝続ける人なので、起きてこなくても気にされていなかった。

 

お昼頃、彼が「12時過ぎたし、そろそろ起きるー?」と声をかけてきた。気づいてもらえるチャンス!と思ったけど、気づかれずに終わる。同じ体勢がずっと続き、体が少ししんどくなってくる。

 


またしばらくして「ちょっとニトリ行ってくるねー」と声をかけられる。

焦った。

動けなくて困ってるから助けてって思った。

動いてないのに気づいて!


声にならない音が、喉から出た。それでやっと、近づいてきた。

動いてない様子をみて一言。

「体動いてないの?ALSでもMSでもないから。精神的な問題だから動くよ。」


そんなこと言われて動くのなら苦労しない。言い返したいのに、動けなくてしゃべれないのが悔しい。

そのまま時間だけが経過する。

 

結局彼は、ニトリには行かず家にいた。寝室のカーテンと窓を開けてくれた。そして、自分がポカポカ気持ちよくなったのか、横でグーグー寝てた。こっちは、直射日光眩しくて、ずっと同じ体勢でしんどいのに。

ふと思った。トイレ行きたくなったらどうしよう。気づいてくれなかったら、このまま漏らすのかな。。

 


またしばらく時間が経った。

彼が起きた。

「何か飲む?」と聞いてきた。

飲めるかわからなかったけど、暑かったから何か飲みたかった。瞬きで返事を返す。

 


体を起こしてもらう。

咳き込む。

自分で姿勢を保てないから、彼が手を離すと倒れる。

座った姿勢で、何とか1-2滴のジュースを飲む。

 

そしてまた、体を横にしてもらう。

咳き込む。

横にしてもらった体勢がちょっと窮屈で。でも自分では動かせないし、伝えられないし。一度体を起こしてもらって、少しラクになったと思いきや、窮屈な姿勢でしんどくなる。

 

それ以降、時々彼が、体を起こして腕を動かしたりしてくれる。でも、ずっと動かない状態から、急に体を動かされてむせる。しんどい。


一度彼が聞いてくれた。

「救急車呼ぶ?」

その時は、少し悩んで断った。

 

また時間が経つ。

ふと気づいた。

いつも完全脱力だと思ってたけど、体のところどころに、今は変に力が入ってる。これは新しい発見だ。今度、神経内科の診察時に伝えなきゃ、と思う。

 


更に時間が経つ。

そろそろほんとにしんどい。

動かない体。

時々変に力が入っては抜ける。

暑い。

少し体を動かされては咳き込む。

彼がまた、救急車呼んで欲しいかと聞いてくる。今度は、何度も瞬きして、呼んで欲しいと合図する。


彼はまず、訪問看護師をしている妹のCさんに電話をする。もう少ししたら仕事が終わるから、そのあと家に来るとのこと。

その時には、もう夕方くらい。

 

しばらくしてCさん到着。さすが看護師さん。こんなに頼もしいと思ったのは初めてだった。血中酸素濃度測って、体温測って、血圧測って、暑い?寒い?って聞いてくれて。


心拍数がちょっと速かった。体温が少し高めだった。

血中酸素濃度や血圧は正常。


暑いって合図したら、毛布をどけてくれた。これだけでも、少しラクになる。

とにかく暑かった。

体位変換とかをしてくれたけど、横を向くとやっぱり咳き込む。自分の痰にむせてることに気づいてくれる。少し体を起こし気味のほうがラクそうだと、体を支えてくれる。

 

2人に聞かれる。

救急車呼ぶ?


昨日の神経内科で、わかりませんで終わっていたから、病院に行っても何もできないと思うという話を2人でしていた。でも、このまま夜中とかに、痰が出せなくて呼吸困難になっても困るし、病院ならその辺りはしっかり見ていてくれるからいいかもしれないと結論が出た。


Cさんが救急車を呼んでくれた。

 

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